「ゴルフは最後まで何が起こるかわからない・・・」そんな言葉をよく聞くことがあるが、4月の「KKT杯バンテリンレディスオープン」最終日は劇的な幕切れとなった。予選2日間で首位をキープしていた上田桃子は2位に2打差の単独首位で最終18番ホールを迎えながら優勝を逃した。

「この大会で頑張りたいと思って準備をしてきた・・・」ホールアウト後には涙を必死にこらえながらインタビューに応じる上田の姿があった。地元熊本、そして2017年への想いは上田にとって特別なものだった。

2005年にプロテスト合格、2006年にツアーデビューするとプロ3年目の2007年には初優勝を含む年間5勝を挙げて、史上最年少の賞金女王に輝いた。翌08年からは米ツアー参戦と瞬く間にトッププロへの道を駆け上がった。

ところが、米ツアーでは結果を出すことはできず、プロ10年目の2014年に国内ツアーへ復帰。「CAT Ladies」では涙の復活優勝を遂げた。さらに同年「樋口久子 森永レディス」でシーズン2勝目を飾るが、その日以来優勝カップを掲げていない。

ツアー初優勝、そして賞金女王となった10年前の自分に対して何て言ってあげる?という問いかけに上田は「そのまま行け」と答えた。

「少し前までは10年前の自分は調子に乗っていたなって後悔していたんです。何もゴルフの深みも知らないで、何が良くて何がダメかもわかっていなくて。でも今は若い時はそれで良いんだって思うようになりました」

上田に起きた気持ちの変化。そこにはある恩師の存在があった。享年86歳で昨年亡くなられた荒川博先生との出会いが上田を変えた。荒川先生と出会うまでは常に『自信が欲しい』と思って米ツアー参戦時など5年くらいは迷宮入りしていたという。

「若い時って根拠のない自信がありますよね。でも、自信なんて根拠もなければ、目に見えるものではないって最近思うようになりました。だから、大人になっても、若い頃でも自分のやっていることを信じられるかどうか、それに対して疑う気持ちがない状態が『自信』なんだと思います。だから若い時に持っていた根拠のない自信は間違っていなかったと」

栄光と挫折、もがき苦しんだ10年間が上田を成長させた。アメリカで戦った6年間は「自分を知れる反面、自分の良さも忘れてしまう場所だった」と振り返る。結果が出ない日々はいつしか負のスパイラルに。

日本から離れ、全てがゴルフと向き合うアメリカでの生活。「こんなに練習しているのに、私の方が飛ぶのに、どうしてアメリカの選手の方がスコアが良いんだろう」と自問自答する毎日。いつしか「私はなんでアメリカに来たんだろう・・・」と思うようになったという。

それでも諦めない気持ちで米ツアーで戦い続けた。「勝つまでは絶対に日本へ帰らないっていうプライドもあった。それでもやってもやっても結果が出なくて、どんどん心の骨が折れていくような感覚でした。周りの人からも心配されて『帰ってきた方がいいんじゃない』と言われるのが何より辛かったです」

復活優勝へ期待の高まる今年、テーマは「チャレンジ」。これまでは「ゴルフ場は戦場で笑いはいらない。生きるか死ぬかの舞台」とストイックなまでに結果にこだわる姿勢を貫いてきた上田だが、ここ数年は「窮屈さがあった」という。

「韓国人選手がたくさん優勝して、『日本人はいつ勝つんだ!』って言われる度に『みんな勝ちたいと思ってるよ!』って思っても、そんなこと言う資格もないって思ったり結果がでない自分にストレスがありました」

何かを変えなくてはいけない。上田はいろんなことに葛藤しながらも1つの答えを導き出した。

「いろんな選手のインタビューを聞くと『ゴルフを楽しみます』って言ってるのをよく聞いて、最初は『絶対うそ!』って思ったんですけど、『自分の中ではどうやったら楽しめるのか』を考えるようになって、『チャレンジすることは楽しめる』と思いました。笑ったりすることはできないけど、全身全霊でバーディを取ることや何かに挑戦することなら楽しめる。そうすれば窮屈でもないし、今までは楽しむ認識を間違えていた」

30歳の節目のシーズンを迎える2017年、「ここからが勝負」と熱い想いで臨む。「自分の何が良くなかったかを理解することは誰でも出来る。この経験を結果につなげるのがプロ。だから今年は勝負の1年です。10年前に賞金女王を取ったけど1回は誰でもできる。何事も2回、3回と続けていくことが難しい。勝ち続けることにチャレンジするのが今年の目標です。不動さんのように絶対的な強い選手になりたい。戦国時代を抜け出したいです!」と力強い言葉で語った。

(5月放送:杉ちゃんが行く!Presented by ジャガー・ランドローバー・ジャパン~上田桃子・木戸愛とワクワクドライブ!より)

国内女子ツアー11戦目。今年も福岡カンツリー倶楽部和白コースで開幕!賞金総額は1億2000万円とメジャー級の本大会だ。 昨年大会では、同一大会3連覇を狙うイ・ボミが最終日を首位で歩き出すも、大会を制したのは最終日を「68」でラウンドし逆転勝利を見せた申 ジエ。 ゴルフネットワークでは、注目の国内開幕戦を「とことん1番ホール」で生中継!全選手のシーズン1打目をお届けする! 1番ホールは距離のあるパー5、その攻め方に注目だ!

“杉ちゃん”こと、ツアープロキャディ杉澤伸章氏がMCを務める「杉ちゃんが行く!」。今回は上田桃子、木戸愛をゲストに迎え、いつもと趣向を変えて3人でドライブデート。杉ちゃんは運転手を務める傍ら、上田・木戸のプライベートにも迫る。 2人の恋愛観や未来予想図、2017年の目標など。場所は変わっても、杉ちゃんがゲストの素顔や本音を引き出していく。

プロによる1対1の真剣勝負をお届けする「the MATCH」。 5月は、堀川未来夢vs香妻陣一朗の「今年、ツアー初優勝が期待される若手対決」をお届け。 グリップの感覚を重要視するため、グローブを使用しないスタイルの堀川は、小技でマネジメントする技巧派タイプのゴルファー。一方の香妻は、プロゴルファー香妻琴乃を姉に持ち、横峯さくらの父・良郎氏主宰「めだかクラブ」で姉・琴乃と共に腕を磨いた。 レギュラーツアー初優勝が期待される若手ゴルファー同士の対決を制するのは果たしてどちらか!?

毎週月曜 午後11:00〜、注目大会を試合終了後に振り返る国内ツアー情報番組。日曜日に中継を見逃してしまった方も、もう一度見たい方も、この番組でキャッチアップ! 5月は「関西オープン」や「ほけんの窓口レディース」などを取材予定。